AEDの基礎知識

AEDとは

AEDは、Automated External Defibrillatorの頭文字をとったもので、日本語訳は自動体外式除細動器といいます。小型の器械で、体外(裸の胸の上)に貼った電極のついたパッドから自動的に心臓の状態を判断します。もし心室細動という不整脈を起こしていれば、強い電流を一瞬流して心臓にショックを与えること(電気ショック)で、心臓の状態を正常に戻す機能を持っています。

心室細動とは

人が倒れて意識を失った場合、心臓が心室細動という不整脈を起こしている可能性があります。心臓を動かしている電気系統(心臓の筋肉の一部から発信された微量の電気が伝わるしくみ)が何らかの原因で混乱すると、リズミカルな収縮が行えなくなります(不整脈)。その不整脈の中でも、とくに心臓の血液を全身に送り出す場所(心室)がブルブル震えて(細動)、血液を送り出せなくなった状態(心停止状態)を心室細動とよびます。この心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓など重要な臓器にも血液が行かなくなり、やがて心臓が完全に停止して死亡してしまう、とても危険な状態です。心臓が原因の突然死の多くは、この心室細動を起こしています。

救急車を待っていてはだめ

心室細動を起こすと、1分経過するごとに約10%、助かる確率が減っていくといわれています。救急車が現場に到着するまでの時間はおよそ6分かかるとされており、救急車を待っていたのでは助かる確率が低くなります。119番に連絡するまでに数分かかったとすれば、さらに助かる可能性は低くなるのです。しかし、AEDの登場で、人が倒れた場所の近くにこのAEDがあって、そこにいる人たちがすぐに操作をすれば、助かる可能性が高くなりました。

AEDでの応急処置

心臓マッサージについて

心臓マッサージは、動かない心臓に代わって全身の臓器に血液を送り込み、臓器が酸素不足で働かなくなってしまうのを防ぐ重要な救命方法です。倒れている人の胸の真ん中(乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中)に手のかかとの部分を重ねてのせ、肘を伸ばしたまま真上から強く(胸が4~5センチ程度沈むまで)押してください。押した後には瞬時にその力を緩めますが、手が胸の真ん中から離れてずれないようにします。これを1分間に約100回の速さで繰り返し続けます。

誰でも使えるAED

AEDは初めての人でも簡単に使えるよう設計されています。機種によって多少の違いはありますが、ボタンを押す、あるいはフタを開けるなどすると電源が入り、あとは音声が次にするべきことを指示してくれます。もちろん日本国内に設置されているAEDはすべて日本語の音声です。倒れている人の胸に貼るだけ、器械の指示に従ってシールのような電極バッドをそのパッケージに書かれた位置にしっかり貼り、器械の自動診断を待ちます。機会が電気食を必要と判断したら、ボタンを押してくださいという音声の指示が出ますので、ボタンを押します。電気ショックが必要ない場合にはボタンを押しても電気が流れませんので、操作を間違って電気が流れるようなことはありません。

倒れている人がいたら

STEP:01
声をかけてください。
STEP:02
反応がなかったら、119番に連絡してください。
STEP:03
息をしているかどうか確認してください。
STEP:04
呼吸をしていなければ、近くの人に AEDを持ってきてもらうよう頼んでください。AEDが来るまでの間、心臓マッサージ(胸骨圧迫)を休まずに行ってください。
STEP:05
AEDが到着したら、すぐに胸を裸にして、電極パッドを貼ってください。(金属をはずし、ペースメーカーなどの出っ張りがあればそこを避けて濡れている場合はふいてから貼ってください)
STEP:06
AEDの音声による指示に従ってください。AEDが心電図を解析しているときは、音声指示に従って倒れている人から離れてください。(誰かが体にふれていると、心電図の解析が正確に行われない可能性があります)
STEP:07
電気ショックが必要と音声が指示したら、倒れている人の体に誰もさわっていないことを確認してください。
STEP:08
ボタンを押して、電気ショックをかけてください。
STEP:09
電気ショックをかけたら、AEDの電極を貼ったまま、すぐに心臓マッサージを再開してください。
STEP:10
2分後に、自動的にAEDが再度、電気ショックをかけるかどうか判断し、音声による指示があります。
STEP:11
意識が戻ったら、倒れている人の体を横にして、楽にして救急車の到着を待ってください。AEDのパッドは貼ったままにしておいてください。

AEDの普及状況

わが国のAED設置台数(27万2020台)の内訳

厚生労働科学研究(主任研究者:丸川征四郎氏)によれば、平成21年12月現在、わが国のAED設置台数は、27万2020台だそうです。その内訳は、医療機関が60,132台、消防機関が7,964台で、その他を公共施設など一般市民が使用できるAED(PAD; Public Access Defibrillation)とすると、約20万台になります。

■財団法人 日本心臓財団 http://www.jhf.or.jp